危険な高齢者ドライバー

高速道路の逆走、駐車場にバックで入る際、ブレーキとアクセルを踏み間違えて、壁を突き破って転落するなど、高齢者による交通事故が増えている。

今時の60~70代は、見た目も若く、気持ちも前向きで活動的だが、いくら若く見せようと努力しても身体の方は嘘をつかない。年齢が高くなるにつれ、確実に身体能力は衰えているのだ。

全国的に、交通事故の件数自体は順調に下がってきているのに、高齢者ドライバーによる事故の比率は逆に上がっているそうだ。

しかも、交通事故で重傷を負ったり死亡したりする率は、65歳以上の高齢者ほど高いという。

とっさの判断が遅れ、脳から筋肉への指示も遅れ、ブレーキを踏む足も、ハンドルを切るのも間に合わないとなれば、確かにそうなるのだろう。

こうした事実を踏まえ、全国の警察では高齢者の運転免許返上を推奨しているが、交通機関の発達した都市部では、車を失ってもそれほど不便を感じないかもしれないが、他に移動手段のない田舎では、車を手放すことは、即、日常生活に不自由をきたすことだから、自殺行為と言っても過言ではない。

かっては、身近な存在であった商店街はシャッター通りと化し、郊外のスーパーに足を延ばさなければ、生活用品も食べ物も買うことが出来ないのだ。

自治体によっては、タクシーやバスなどの代替交通費の援助制度があるそうだが、毎日のスーパーへの往復費を全てまかなえる額ではないし、バスで通うにしても、田舎では、路線も本数も少なくなっており、不便この上ないのだ。

こう考えると、やっぱり高齢者から車を取り上げるのは酷な話だ。では、普通車よりも運転が楽で維持費も安い軽自動車に乗り換えるのはどうだろう。

たしかに、軽自動車は、運転は楽だが、事故が起きた時の安全性に問題があるため、乗り換えには躊躇せざるを得ない。

こう考えると、高齢者から車を取り上げるのも、軽自動車に乗り換えるのも、そう簡単な話ではないことが分かる。

やはり、自分で、もう運転はムリだなと自覚するのを待つ以外、方法はないのかもしれない。

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